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サブカル系眼鏡男子の日常

断捨離系でもあります。

「1割の人の心に刺さるオリジナル商品を作る」カンブリア宮殿 KING JIMの戦略を見て

テレビ 家電

キングジムは有名な小型ラベルプリンタ、テプラを作っている会社です。

この会社は少し変わっていて、「ニッチな商品を作る」ことを重要視しています。

一見ニーズが少ないんじゃないかと思われる商品も商品化しているそうです。

 

その一例が、「メモのための文字入力、保存しかできない」Pomera(ポメラ)。

キングジム デジタルメモ ポメラ  DM100 ブラック

キングジム デジタルメモ ポメラ DM100 ブラック

 

作成したテキストファイルはSDカードに入れて取り出すことができます。

それでお値段2万円以上。

 

高いです。

 

通信機能がないため、メールにして送付することもできません。

 

個人的には「完全に劣化Evernoteじゃないか」というのが感想でした。

Evernoteであれば、文字を自由自在に保存できるし、画像やファイルだって保存できる。

メールでノートを作ることもできるし、ノートをメールで外部へ送信することもできる。

何より他にデバイスを持たずに、スマホタブレットで済んでしまうんだから。

個人的にはいらないってのが結論です。

 

しかし、ある作家の方が「Pomeraが生活に欠かせない」とインタビューに答えていました。

 

なぜ?

 

それは「メモを取ることしかできないこと」が良いそうです。

他のことができることによって気が削がれず、集中力が維持できるから。

 

作家の方は頭の中を文字、文書にインプットすることが仕事です。

 

なるほどって思いました。

私もタブレットでも、スマホでもなくKindleを持つ理由も同じです。

「他の事ができてしまうと、集中できないから」読書専用端末が欲しいんです。

 

Evernoteでいいじゃん」って思ったことも。

メモを取る、文章を作ることを専門にしている方は、多機能すぎるんですね。

 

そしてキングジムの基本方針が、

「マーケティングはしない」

「役員10人のうち1人でもOKを出せば商品化する」

なるほど。

 

マーケティングをしないというのはジョブズの精神にも通じますね。

10人のうち1人でもOKを出せば商品化する。

これも万人ウケのみではない、独創的な尖った製品を出す秘訣ですね。

普通の会社じゃこうはいきませんから。

 

 

また創業者の精神が

「人と同じでは楽しみがない」

「会社が小さくても世にないものを作ろう」

とのことです。

 

また現社長も開発者に

「誰の言うことも聞くな。自分の欲しい物を作れ」

と教えているそうです。

 

この言葉も刺さります。

 

自分も重要なユーザーなのだから、自分が欲しいものを作らなければならない。

そのまま形にすれば魅力的な製品なはずだ。

確かにもっともです。

オリジナリティがあり、自分が本当に欲しいものであれば、そりゃあ売れますよね。

自分が買うかどうかって、マーケティングより精度高いと思います。

 

役員10人のうち1人ってのはハードルが少し低いですが、現在の多くの会社はハードルが高すぎるのも事実です。

低いのもいいことなのかもしれません。

 

自分の欲しいものを作るということもある意味当然なことです。

しかし、普通の会社では様々なしがらみで、「自分の欲しいもの」と「最終的な製品」のギャップが多いことが日常茶飯事です。

 

他の部署からの意見や、審査する立場の役員の「鶴の一声」によって方針転換が起こり、コンセプトを台無しにする方向へ進んでしまうということもあります。

 

日本企業のパソコン、デジタル機器には、余計なアプリやバンドルソフトが多いですが、決して開発者はそれを作りたかったのではないと信じたいです。

 

この独創性を大事する方針は非常に重要であるにもかかわらず、日本の企業に欠けている精神でもあります。

 

昔からありますが、現代でも日本企業間には、模倣、横並びの文化があります。

競争のための同調、肩を揃える、良いものが多くの商品にあるとメリットもありますが、ただの模倣では一歩抜き出たサービスを作る気がないとも思えてしまいます。

 

たとえばコンビニ業界を見てもそう。

サークルKが焼き鳥を始めれば、他のコンビニも模倣。

コンビニコーヒーも模倣で全会社がやっています。

 

確かに、「普及」「ブーム化」によって売り上げは増加し、市場規模は拡大します。

美味しいコーヒーを手軽に飲めるようになったという利点はあります。

 

しかし、それは缶コーヒーが置き換わっただけだとも取れます。

単に流通経路を増やしただけで、明確な付加価値は生み出されていないようにも思えます。

 

日本の大手企業はまず模倣を行う傾向が見られるので、独創的商品、サービスを作ろうとする精神こそ必要かもしれません。

 

物が大きかった時代は、小型化、軽量化が代表的な付加価値となっていたため、単純な方針で開発を進めることができました。近年は明確な付加価値が見出しにくい時代であるからこそ、価値を独創性によって見つけ出す必要がありますからね。

 

 

最後の村上龍の編集後記も胸に刺さりましたので引用させて頂きます。

キングジム、まさに「独創性のかたまり」のような会社だ。

「モノマネはするな」

宮本さん(現社長)は幼少の頃、創業者である祖父から、そう教えられたらしい。

だが、そもそも「独創性」とはなんだろうか。

突拍子もないことを考える?奇抜なアイデアを探す?

 

そうではない。

独創性とは、それまで存在しなかった「組み合わせ」について考え抜く力だ。

そして、新しい組み合わせを発見したときの興奮と高揚をイメージすることでわくわくする気持ちが生まれる。

宮本さん(現在の社長)が祖父(創業者)から受け継ぎ、キングジムという会社に充ちているのは、類い希なわくわく感である。

 

 

確かにそう。「わくわく感」こそ今の日本企業に足りないものじゃないでしょうか。