禅寺修行はじめてみました
突然ですが、連休を利用して禅寺で座禅の修行をしてきました。
今回修行の舞台として選んだのは京都の亀岡市にある宝泉寺というお寺。
宝泉寺禅センターという一般の人でも修行できる施設です。
2017年に放送されていた、NHKのドキュメント72時間という番組の「禅寺修行、始めてみました」という放送回で取り上げられていたので、なんとなく興味を持ってました。
修業期間は?
今回参加したのが3泊4日の一般修行者向けのコースです。
お寺のホームページには「初心者でどうしてもという方は2泊3日でも可能なようですが、3泊4日をおすすめします」と書いてあります。
実際参加した僕の感想としては断然3泊4日の方が良いです。
最初の1日と最後の1日はほとんど修行の時間がないので、2泊3日だとまともに修行できるのは2日ということになります。
1日目はうろ覚えの状態で、2日目でほんのちょっと慣れた頃に修行が終わってしまいます。非常にもったいないです。
興味のある方は3連休にあと1日有休を取得して3泊4日の都合をつけられることをおすすめします。
申込はホームページから3日前までに申し込めばOKです。
お盆や年末年始やGWなどは満席になるほどの人気ですが、通常の3連休であれば1週間前に申し込めば空きはありそうです。
費用はどのくらい?
費用はなんと1万円。
京都のお寺で1泊3食付き(座禅し放題)で3千円ちょっとと思えば、破格です(笑)
長期の修行が良ければいきなり4泊以上も可能で、3000円×泊数のお布施を支払えば良いです。
6泊7日でも3000円×6=18000円と結構安いです。
禅ってそもそも何ぞ?
僕も今回修行を始めるまで軽い気持ちしかありませんでした。
「ジョブズも禅に興味持ってたよな」
「禅寺修行って響きが良い」
「よりシンプルな生活を送れそう」
ってことしか考えてなくて、そもそも禅とは何なのかということを、修行中に調べながら考えてました(笑)
禅とは一言で言えば「座禅を修行の中心に据える仏教」のことです。
日本の仏教の中でも臨済宗、曹洞宗が禅宗と言われる流派です。
中学校でなんとなく習いましたよね。
内容はさておき、座禅による修行をするんです。
座禅とは?
最近はリラックスのためのマインドフルネスという言葉もありますが、瞑想とは少し違うかもしれません。
一言で言うと、「ただ座って、姿勢を正して、呼吸だけに集中する」修行です。
悩みも仕事のことも一旦忘れて、「今の自分と向き合う時間」を作れます。
禅堂と呼ばれる場所でひたすら座禅をします。
修行1日目
初日の集合時間は14時から14時45分までに受付に行けばよいです。
京都駅から最寄りの馬堀駅まで約25分、馬堀駅から宝泉寺までが徒歩15分程度なので、新幹線を使えば余裕で朝出ても間に合います。
受付で待っていると、スタッフの方から修行中の基本ルール、食事の作法の説明があります。
その後施設内を案内してもらい、いきなり16時30分まで休憩です。
そして16時45分から夕食前の座禅。
17時から夕食です。
しかし、最初の食事からマナーをいきなり実践しないといけないので、大変です。
一度ビデオで見ただけでは覚えられないので、前の席の人の動きを見ながら食事すれば大丈夫です。
きつかったのは食事が終わった後の食器の洗い方です。
食事が終わったお椀にお湯を注いで、たくあんでお椀を洗います。
そのお湯を、味噌汁やおかずの椀も洗った上で最後に飲み干さないといけません。
正直これはきつかったですが、だんだん慣れました。
それよりも食事中の正座の方がきつかったですね。
夜は1時間座禅のやり方について和尚さんの話を聞いた後に、座禅を25分×1セットやって終了です。
座禅は1回あたり25分と休憩5分を交互に繰り返します。
25分の間は身体を動かしてはいけませんし、鼻をすすったり、咳をしたり音をたててもいけません。
25分がかつてないほどの長さに感じます。
スマホをいじったり、テレビを見てればあっというまの25分がこんなにも長かったんだってことに気付きました。
座禅がようやく終わると自由時間です。
消灯の22時までは他の修行者の人と話して過ごすことができます。
正直それが貴重な体験でした。
スマホは電源オフにしておかないとバイブの音も厳禁なので、基本オフにしてました。
その状態で見ず知らずの人と話をするのってなんか学生時代の合宿に近かったです。
修行2日目
朝5時20分に起こされたら、5時40分までに布団をたたんで、準備をすませて太極拳を行います。
そのあと座禅を2回。
そして7時に朝課という名のお経を読む日課を終えた後に、掃除。
そしてようやく朝食です。
朝食にはおかゆが出ますが、すすっていけない。
そして箸をカチャカチャ鳴らしてもいけないので、非常に食べにくかった。
朝食が終わると少しの休憩の後、作務(奉仕活動)の時間です。
境内の掃除などを行います。
お昼まで過ごせば待望のお昼ご飯。
昼ごはんだけは唯一の楽しみでした。
なぜなら「正座しなくてもいい」「食事中に私語をしても良い」「食事の作法を守らなくても良い」という普通の食事ができる唯一の機会だったからです。
そして昼ご飯が終わるといきなり16時45分まで昼休みです。
約4時間あるので、京都観光だって可能です。
特に嵯峨嵐山は近いので観光も余裕です。
疲れていたら、お寺内でお昼寝するのも自由です。
修行体験の感想
禅寺修行という名前の響きだけで参加した今回の修行ですが、やってみるまでに思っていたイメージとは全然違っていて、期待していた以上に心がすっきりする良いものでした。
仏教ってお経読んだり、なんか硬いお話をしたり、退屈そう。
そもそも宗教って響きが洗脳されそうで嫌。
って思ってました。
でも座禅って難しいことを考えずにただ無になるだけです。
ある意味ミニマリストの究極だとも思いました。
それに仏教自体が「煩悩を捨てて、正しい行いをして、悟りなさい」っていう教えなので、そもそも洗脳される要素がないのかも。
ミニマリスト的なシンプルな生活自体が、「自分の物欲をなくして、シンプルな生活をして、スッキリ暮らす」ってことなので、座禅という行為があるかないかの違いだけで意外と違いはないのかもと思いました。
それにミニマリスト的だったジョブズも禅にどっぷりつかっていたり海外では禅系ミニマリストの方もいますからね。
ミニマリストのレベルを一歩踏み込みたいなって方や、悩みを抱えている方。
海外旅行に飽きた方など、ぜひ禅寺修行はいかがでしょうか?