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ひとり家電メーカーの衝撃

10/24放送分のカンブリア宮殿見ました。
 
特集されていたのは自称"ひとり家電メーカー"Bsizeの八木啓太社長。
 
彼が作り上げたのは「STROKE」という製品。
1本の細い筐体を“曲げる”という事で実現しているLEDデスクライト。去年12月に発売したところ、瞬く間に初回ロットの100台が完売。今では注文しても2か月待ちと、製造が追いつかないほどの人気。
 
STROKEの企画、回路/筐体設計・試作、耐久試験、量産設計、梱包デザインに至るまでの全てのプロセスを八木社長一人でやったそうです。
 
 
起業前は大手メーカーに勤めていたようですが、ジョブズのスピーチの「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?」という言葉に刺激を受け、会社を退社して起業をしたそうです。
 
 
しかし、ジョブズは最初ですら二人でしたが、彼は会社を立ち上げてひとりでやってしまった。
 
 
現在多くの大手電機メーカーが生き残りをかけて苦境に陥っている中で、たったひとりで立ち上げた電機メーカーが好調。 
 
一体どうゆうことでしょうか。
 
 

■IT化の恩恵 

ひとりメーカーはしばらく前まではありえなかったと思います。それができるようになった理由の一つとして昔と比べてソフトウェアの機能が向上、安価になったことを活かしているとの話がありました。
 
3DCADの図面を書くソフトが10年前は1000万円したものが今はFREE。
 
 
10年前だったらきっと不可能だったんでしょうね。 IT化による情報処理能力の向上、マンパワーの削減を見事に活かしていますね。現在の大手メーカーは本当にIT化の恩恵を受けているのでしょうか? 
 
簡単に情報処理ができるようになった分、情報処理する量も同様に増えている気がします。しかもいちふ保護しなければなりません。大手メーカーだからこそのしがらみも多いです。
 
例えば
・毎日送り合う大量のメール
・慎重に慎重を期した開発プロセス
・リスクを徹底的に検証する試験
・多くの人、部署の思惑の絡み合う意思決定プロセス
・企画に明確な根拠がないと認めないロジカルな審議
  
などなど、IT化による余計な業務も多いでしょう。 
 
Bsizeはひとりだからこそ、業務も究極に効率化されている。全て自分で判断できるから余計なプロセスがない。非常に強いですよね。 
  
昔は自分の手で作ったものを作品としていましたが、今は工業的にプロデュースして自分の作品とすることができるんですね。
 
いわば現代風の職人ですね。 
 

 

■シンプルさ

もうひとつ気づいた点として製品のデザインのシンプルさが特徴的だと感じました。
 
日本メーカーにありがちな多機能とか売りにしない。デザインとシンプルな機能だけで勝負をする。
 
それが開発、設計、リスク検証等の業務の最小化にもつながっていますね。余計な機能がなければ、余計な検証をしなくて済みます。
 
そして安売りしない。競合しない。
  
極端にシンプルだからこそ、差別化されて、多少高くても買い手がつく。
  
本当にアップルの精神が生きたメーカーのような気がします。
 
マーケティング重視でもなく、プロダクトアウト(=出来るものを売る)でもなくて、「シンプルで良いと絶対的に自信があるものを売る」という点がアップルに近いですね。
 

 ■生き残り

番組内で社長は、今の時代を多くの新しい生き物が生まれたカンブリア紀と例えていました。
私にとっては、時代的に見るなら恐竜が何らかの原因で絶滅した後も、哺乳類が生き残った時の状況に見えます。
 
現代はまだまだ中小企業のメーカーや、原材料メーカーは大手メーカーに支えられることで、しのいでいるメーカーが多いです。
 
自分たちで最終ユーザーの開拓を行わず、ルーチンワークとして一部の工程のみを担当することでリスクを低減している。
 
それも大手メーカーが安定していれば、永続可能な立派なビジネスモデルでしょう。

しかし大手メーカーが不安定な今では非常にリスクの大きいビジネスです。
 
大型恐竜の絶滅とともに死んでしまう可能性があります。
しかし、現代の環境はこのBsizeの様にひとりのメーカーでも直接販売できる魅力的な商品ができるんです。
 
 
まして多くの知恵も技術もある中小企業なら・・・ってとこですよね。