御嶽噴火が戦後最大の火山での災害になったと報道されています。
噴火一週間前に御嶽山に登っていた身としては、被害者の方が他人とは思えません。何かが違っていれば自分が被害者として報道されていたことでしょう。
本当に今回はタイミングが最悪な災害でした。
何かがもう少し違っていればとしか言いようがありません。
①時間帯
12時頃は最も山頂に人が多い時間帯です。もし17時~早朝までの間に噴火が発生していたのなら、被害者は10人以下にはなったと思います。もう2時間ずれているだけでも被害者は半減したと思われます。
②季節
秋は紅葉で登山者が増える季節です。積雪期の冬~春に噴火が発生していたのなら、被害者は数人レベルで済んだでしょう。
③天候
快晴は最も登山者が増える状況です。本来は毎年9月というのは台風が最もやってくる時期です。実際去年などは9月の土日は半分は台風で暴風雨のため登山ができなかった記憶があります。台風がきていれば被害者は0だったでしょうし、雨が降っていても被害者は半分以下だったでしょう。
このタイミングの悪さこそが今回被害者数を押し上げた主要因であるため、この被害者数をまともに捉えて対策をしようと言うのは少し無理があると思います。
最近の報道を見ていると今回の被害者の多さから、他の火山のように「噴石から身を守るためのシェルターを作る必要があったのでは?」や「山頂の地震計が壊れているなんて噴火の監視体制が弱いのでは?」や「火山の震動が多発しているのであれば、登山を控えさせることができたのでは?」と言われていますが、全て結果論ですし、効果があるとは思えません。
シェルターで全員の命を助けたいなら、10mおきに作る必要があるんじゃないでしょうか。予知に関しても、確実性がない以上、警報は出せても登山者を全部止めるには厳しいと思われます。
まして御嶽山に何か対策をするよりも登山者の規模が多い富士山等の噴火の被害を抑えるための対策の方が重要だと思います。
ここ数日「被害をなくすためには、火山に登らなければいい。」と火山学者が記者に答えたことがニュースになっていましたが、まさにその通りだと思います。
登った人が悪いというような捉え方もできてしまうので、少し抵抗がありますが正論です。間違っていません。
火山の災害は登らないことで大きく被害を低くできます。発生しても被害者ゼロということも大いにありえます。対策をしても被害者をなくせるとは限りません。
もっと他に避けようのない災害はたくさんあります。
今回のことがきっかけで他の災害対策の予算が削られて、噴火対策に充てられるということは、盲目的過ぎると思います。
優先度の判断を見誤らないようにすることが、今回の被災者の方に報いる方法なんじゃないかと思います。
僕は登山を趣味とする時点で山で死ぬことはしょうがないと考えています。自己責任以外に何者でもありません。それと引き換えの達成感と絶景だと思っています。
火山以外にも遭難、クマとの遭遇、滑落、凍死等のリスクはあります。運が悪ければ死ぬことを覚悟した上で趣味としています。何で死んでも他の人は恨みません。
今回の噴火はその考えを再認識させてくれる機会にもなりました。
最後に本当に被害に遭われた方のご冥福をお祈りします。